リハビリテーション技術科

ご挨拶

 私は医師としてのキャリアを内科医からスタートし、地域の中核的な高機能病院である関東逓信病院(現・NTT東日本関東病院)で神経内科の専門医となった後、リハビリテーション科の部長としてリハビリテーション医学・医療を担当し、脳卒中をはじめ、様々な疾患・障害の急性期から緩和ケアに至る幅広いリハビリテーションの診療と臨床研究に従事しました。その後、茨城県立医療大学でリハビリテーション医学、地域リハビリテーション担当の教授として教育に携わるとともに、120床のリハビリテーション専門病院の院長として病院の運営と、茨城県全体のリハビリテーション医療体制を整備する機会を得ました。定年退官後は横浜市立みなと赤十字病院でリハビリテーション科部長として、主に急性期リハビリテーションの診療に従事してきました。

 私のこうしたリハビリテーション医学・医療の臨床、教育、病院運営、リハビリテーション医療の広域連携体制の構築に長く関わってきた知識、経験、人の輪を活かし、当科のセラピスト(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)や関連各科の医師、看護師、薬剤師、栄養士、福祉関連職、事務職などの方々と密接に連携し、リハビリテーション診療を通じて患者さんとご家族を支援したいと考えていますので、よろしくお願いします。

リハビリテーション科 部長 新井雅信

 

医師紹介

新井 雅信(部長)【リハビリテーション科】

  • 日本内科学会認定臨床医
  • 日本神経学会専門医・指導医
  • 日本リハビリテーション医学会認定臨床医・専門医・指導医

 

施設基準・スタッフ紹介

施設基準 運動器リハビリテーション料Ⅰ
脳血管リハビリテーション科Ⅱ
呼吸器リハビリテーション料Ⅰ
心大血管リハビリテーション料Ⅰ
がん患者リハビリテーション料
スタッフ リハビリテーション科専門医:1名
理学療法士: 14名
作業療法士: 5名
言語聴覚士: 1名

 

当院のリハビリテーションの特徴

 当院は開院から135年になる歴史と伝統を誇る病院で、開院当時は我が国の大きな医療上の問題であった感染症の治療・研究に取り組み、現在ではがんと、生活習慣病や加齢に伴う様々な内科的疾患や骨関節疾患、さらに高齢者の方々が複数の慢性疾患や障害をもちながら地域で生活するのを支えるため、地域医療にも貢献しています。

 特にがんの治療・研究について当院は全国的にも有名であり、診断、治療からリハビリに至るまで、患者さんの救命、心身機能の維持・充実、そしてQOLを高める支援に特に力を入れて取り組んでいます。当科ではそうした課題に対し、医師、看護師、栄養士、薬剤師と連携し、リハビリの面から患者さんの回復、心身の機能の維持・充実、QOLの向上に取り組んでいます。各科での専門的治療を縦糸とすると、リハビリはこれらの各科を支える横糸の役割を果たしており、両者が相まって患者さんの病気からの回復、機能の改善、家庭や職場など、地域社会への復帰を支援しています。

リハビリテーション室は病院最上階にあり、見晴らしの良い開放的な空間です

 

病棟の状況に応じた特色のあるリハビリテーション

(1)内科系病棟、外科系病棟、婦人科系病棟

 がんや様々な疾患により、体力や心身の機能が低下した患者さんが入院しています。がんの患者さんで手術を予定している方では術後の早期離床・早期回復のため、術前から体力、呼吸機能の維持を目的に術前リハビリを行っており、術後は事情の許す限り、直後からリハビリを開始し、早期離床、心身機能の低下防止を図って早期退院につなげています。また、抗がん剤による化学療法や放射線治療の患者さんでは、治療そのものや副作用による活動性の低下を防ぐため、それぞれの患者さんの状態に応じたリハビリを提供することにより、体力の維持、心身機能の低下防止を図っています。

 様々な疾患で体力や心身の機能が低下した患者さんでは、使わないために心身の機能が低下し、起立性低血圧、関節拘縮、便秘や下痢、肺炎、認知機能の低下などの「廃用症候群」が起こりやすいのですが、病棟やリハビリ室で積極的にリハビリに取り組むことでこれらの状態を予防し、すでになった患者さんでは改善するよう、プログラムを工夫しています。

 

(2)緩和ケア病棟

 積極的な治療が難しい段階のがんの患者さんが入院する緩和ケア病棟では、患者さんやご家族の希望に寄り添い、それぞれの患者さんの状態に応じて痛みの緩和、心身の状態に応じた生活範囲の拡大や活動性の改善、患者さんとご家族との触れ合いへの支援を通じ、QOLの向上につながるリハビリを行っています。

 当院では医師、看護師、薬剤師、栄養士、相談員、療法士が合同のカンファレンスを週1回実施し、多職種で協力して患者さんそれぞれの状態に適した支援ができるよう努めています。

 

(3)地域包括ケア病棟

 地域包括ケア病棟では、急性期治療を終えた方、在宅で生活をされていて一時的に入院治療が必要となられた方が在宅復帰を目指して入院される病棟です。専門医や充実した医療機器を備えた病院でなければできない専門的な治療を行いつつ、患者さんが安心して在宅復帰できるように一人一人の目標に合わせて支援していきます。リハビリは、担当のスタッフが機能訓練、日常生活動作訓練、生活関連動作訓練、屋外訓練などの個別リハビリを行うほか、地域のケアマネジャーなどと連携しながら在宅退院にむけた訪問指導を行っています。また、退院後のサポートとして、訪問リハビリ(千代田区、文京区の方)、希望される方には退院3ヵ月後を目処に外来での筋力・体組成測定を行っています。

■ 病棟でのリハビリの様子  左)靴下を履く練習  右)トイレの練習

 

診療科別、特色のあるリハビリテーション

(1)整形外科

 整形外科手術を目的に入院される方に対しては、手術前に注意事項や退院までのリハビリ予定の説明、運動指導をさせていただきます。手術後は、医師の指示のもと翌日または翌々日に離床し、身体機能訓練、歩行訓練や日常生活動作訓練などを開始して早期退院を支援していきます。必要に応じて屋外の歩行訓練や社会復帰に向けた訓練なども積極的に行っています。また、リハビリスタッフと医師で回診を、病棟看護師とは毎週カンファレンスを実施し、リハビリの進捗状況の確認を行っています。情報共有を密にすることで、より良い医療を提供できるよう努めています。

■ リハビリテーション室にて  左)歩行訓練  右)徒手抵抗の筋力強化訓練

 

(2)乳腺外科・婦人科

 乳腺外科手術後の方は、痛みや恐怖心からの安静などにより、肩関節の運動制限などが起こることがあります。医師や看護師とのカンファレンスにより、病態・手術方法や生活などを把握し、入院中に運動療法や運動指導を行います。手術前に肩関節運動範囲や上肢周径の測定、生活状況の確認、手術後の運動指導や退院後の自主トレーニング指導、リンパ浮腫予防のための運動や日常生活指導などを行い、手術による日常生活への影響を最小限にすることを目指します。

 婦人科では、抗がん剤治療をうけている方を中心に、治療の副作用軽減、退院後に円滑に日常生活に復帰できるように筋力・体力低下予防や浮腫に対しての運動療法などを実施しています。

 乳腺外科・婦人科とも当院でリンパ節郭清をされた方に対しては、入院・外来(各1回のみ)にてリンパ浮腫指導を医師・看護師とともにおこなっています。リンパ浮腫指導の内容としては、予防のための運動と日常生活指導を中心に実施していますが、必要に応じて関節可動域や周径測定、体組成測定なども行っています。

■ リハビリテーション室にて  左)体組成測定  右)リンパ浮腫予防運動